岐路

山歩きを始めてすぐに西上州の岩山に出会い、以来岩稜縦走に魅せられてきた。フリークライミングを始めたのも苦手な岩場を安全に通過するためだった。そしていつしか行動範囲は北アルプスへと広がった。北鎌や八つ峰などの主だった岩稜縦走が済み、何度も悪天候に阻まれ最後まで残ってしまった奥穂・西穂も一昨年終わった。


そしてこの夏の2度目の北鎌はそんな岩稜縦走の集大成。技術も体力も身に付き、自己採点120点。これ以上岩稜縦走を続けてもチャレンジングな事は残っていないなと下山後悟った。もちろん未だいくつか行ってみたいルートが残ってはいるけれど、いずれも特別な準備も要らない落穂拾いのようなもの。


気付いてみれば目標完遂だった。 でもそれって目標喪失。


冬季のバリエーションは指の事があるのでもう無理だし、アルパインクライミングは好きだけどそれを山行の中心に置くのはいろいろな面で敷居が高かった。昨冬、現実味を持って現れたアイガー(東山稜)。それに向かってこの10ヶ月ほどがんばってきたつもりだったけれど、私の拙い雪上技術じゃ所詮叶わぬ夢と分かって再び目標失墜。

そろそろ山も潮時か。

それに向かってがんばれる新しい何かが欲しい。最近そんな事がチラッと頭の隅をよぎるようになっていた。

ホントに山を捨てるなんてできもしないくせに。

流されればフリークライミングと面白おかしい山行で1年2年が過ぎるんだろう。


しかし、達成感が得られるような山に行くために私に残された時間はせいぜいあと5,6年、山へ傾倒した日々の総決算に備える時期が来ていることに今日気が付いた。


初めて表妙義を歩きとおしたあの時の達成感や、2度目の北鎌で覚えた感慨を、いつか山から離れる日にもう一度味わうためにはもう一回がんばらなきゃ。


来シーズンは自立したアルパインクライマーを目指した一歩を踏み出しているのかもしれない。
「バリで登る百名山」も少しだけ意識しながら・・・。

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