黒部源流山スキーに魅せられて~8年間の総括

黒部源流スキーに魅せられて

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夏のチンネ、春の黒部源流域が大好きだ。前者は正に岩と雪の世界、日本離れした雄大な景色の中に身を置き10数ピッチにも及ぶ簡単なクライミングとちょっと緊張する雪渓処理が楽しめ、後者においては年によっては何km四方にも渡って自分たち以外誰もいないであろうという隔絶感や、スリリングな黒部川の渡渉、悪天候への対応など、常に何かしらのプレッシャーを感じながら最奥の地での山スキーを楽しみ、秘湯中の秘湯を楽しんできた。今日はその黒部源流スキーを振返ってみたい。


滑った斜面とレイティング(レイティングには滑走観点だけでなく秘境度やレア感・広大・長大さなどを加味した。)
☆☆☆☆☆水晶岳東面(2回)
☆☆☆☆ザラ峠~湯川谷・常願寺川~立山駅(1回)
☆☆☆雲ノ平北面~高天原(2回)
☆☆☆大ノマ乗越~秩父沢(5回)
☆☆☆ウマ沢(2回)
☆☆☆祖父岳北面(2回)
☆☆☆鳶谷(1回:太郎小屋定着山行)
☆☆薬師岳金作カール(1回)
☆☆薬師岳中央カール(1回)
☆☆廊下沢(1回)
☆☆双六谷左俣~本流(3回)
☆☆針ノ木峠~針ノ木谷~黒部湖(平の渡し)(1回)
☆☆薬師沢右俣(2回)
☆☆三俣蓮華岳北東面(4回)
☆☆弓折岳南面(1回)
☆☆弥助沢(5回)
☆☆北ノ俣岳~太郎山(4回:太郎小屋定着山行1回を含む)
☆☆丸山東面(1回)
☆☆北ノ俣岳~薬師沢左俣1回(太郎小屋定着山行)
☆☆黒部五郎カール(3回)
☆岩苔乗越~黒部源流(3回)
☆双六谷右俣~本流(3回)
☆岩苔小谷(高天原まで)(3回:内1回は右岸尾根)
☆祖母沢(2回)
☆黒部五郎東尾根2518.8P東面(1回)
☆中ノ谷左岸尾根~中ノ谷(1回)
☆刈安峠~ヌクイ谷1回
☆北ノ俣岳東面~赤木平~黒部川(1回)
☆北ノ俣岳西面(2回:太郎小屋定着山行1回を含む)
☆無名沢(祖母沢の東側)(1回)
☆温泉沢左俣(1回)
☆鷲羽岳西面(2回)
☆五郎沢右俣(1回)
☆大ノマ乗越~双六谷(2回:内1回はアイゼン下降)

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① 2010年GW【上の廊下増水敗退 4泊5日】  W/小川さん・イケさん
初めての黒部横断山スキー。新穂高から上の廊下を横断して馬場島を目指したが、10回目の黒部横断を果たしてきた大介さんと高天原で会って黒部川の増水を知らされ断念。しかしグラビアの中の世界だと思っていた黒部横断が現実のものとなった私にとってのエポックメイキングな山行だった。
(滑走実績:三俣蓮華北東面、岩苔小谷、祖母沢、黒部五郎東尾根2518.8P東面、弥助沢、双六谷左俣、大ノマ乗越~秩父沢)
http://tsunekichi.sakura.ne.jp/10GW_Kurobe_TOP.html

② 2011年GW【上の廊下横断成功 6泊7日】  W/まっちゃん

室堂から新穂高を目指し、悪天候にもめげずに見事完遂。スリリングだった上の廊下の渡渉、雷雨の中ずぶ濡れでたどり着いた秘境薬師見平などを経て黒部ジャイアンツの滑走を満喫した会心の横断。その時はもう2度と来られぬと思って黒部源流で涙が出た。
(滑走実績:御山谷、中ノ谷左岸尾根2056P付近~中ノ谷、刈安峠~ヌクイ谷、廊下沢、水晶岳東面、黒部源流、黒部五郎~ウマ沢、弥助沢、双六谷右俣、大ノマ乗越~秩父沢)
http://tsunekichi.sakura.ne.jp/11GW_Kurobe_Traverse_Ski_0.html

③ 2112年3月【サラサラ越え敗退 日帰り】W/まっちゃん、イケさん
マヤクボ沢出合でCTVE~CTE(SP)、逃げるように下山した。
http://tsune3.blog87.fc2.com/blog-entry-1026.html

④ 2012年GW【金作谷敗退・嵐の高天原からの脱出 7泊8日】 W/まっちゃん
金作谷からの黒部川横断はSBの崩壊で断念。翌日赤木沢出合で黒部川を渡渉して到達した高天原温泉をBCにして水晶東面カールを滑った。その晩から嵐に掴まりBCに計5泊。8日目の午前中の小康を狙って脱出を敢行し、その日の内に飛越トンネルへ下山。いつ嵐に掴まるかと不安に苛まされた印象に残る脱出行だった。後日このGWを日本で一番楽しんだパーティと評された。
(滑走実績:北ノ俣岳~太郎山、薬師岳金作カール・中央カール・薬師沢右俣、北ノ俣岳~赤木平~黒部川、雲ノ平北面、黒部源流、北ノ俣岳~飛越トンネル)
http://tsune3.blog87.fc2.com/blog-entry-1053.html

⑤ 2013年GW【金作谷また敗退 7泊8日】 W/まっちゃん、水谷さん、イケさん
還暦の黒部横断を面ツルドパウの金作谷とSBが待っていてくれた。それなのに小屋のあるじさえ前代未聞という5月の大雪、CTE2(SP)↓25に涙を飲まされた。翌日到来する低気圧をやり過ごすために薬師沢小屋上流のSBで黒部川を渡って高天原温泉に避難。2泊後、午前中の小康に賭けて黒部五郎冬季小屋へ避難した。その後は天候が安定し黒部五郎カールなどを滑って新穂高へ下山したが、期間を通じてとても寒く印象に残る年だった。五郎小屋では黒部と谷川の両巨匠と邂逅。楽しい時間を過ごした。
(滑走実績:北ノ俣岳~太郎山、薬師沢右俣、雲ノ平北面、祖母沢~無名沢、ウマ沢、黒部五郎カール、三俣蓮華北面、弥助沢、双六谷左俣、大ノマ乗越~秩父沢)
http://tsune3.blog87.fc2.com/blog-entry-1278.html

⑥ 2015年GW【熊に脅かされて赤牛敗退 6泊7日】 W/スガー
落穂拾い。まだ滑ったことがない赤牛岳、丸山、祖父岳を狙ったが、高天原山荘前に張ったテントの周りを一晩中クマにうろつかれ、日が高くなるまで行動できずに赤牛敗退。丸山、祖父岳は小粒ながら素晴らしい滑走が楽しめた。双六冬季小屋で谷川の巨匠とうれしい再会、比較的天気が安定していた今年の源流エリアは顔見知りであふれかえった。
(滑走実績:大ノマ乗越~双六谷、丸山東面、三俣蓮華北面、岩苔小谷、祖父岳北面、黒部源流、双六谷右俣、大ノマ乗越~秩父沢)
http://tsune3.blog87.fc2.com/blog-entry-1691.html

⑦ 2016年GW【赤牛岳返り討ち 6泊7日】W/まっちゃん、寅
最後に残った赤牛狙いだったが、強風に阻まれて稜線直下50mで今年も敗退。高天原温泉に入るために行ったような山行だった。
(滑走実績:大ノマ乗越~双六谷、三俣蓮華北面、祖父岳北面、岩苔小谷右岸尾根(夏道付近)、温泉沢左俣、黒部源流、弥助沢、双六谷右俣、大ノマ乗越~秩父沢)
http://tsune3.blog87.fc2.com/blog-entry-1854.html

⑧ 2017年3月【サラサラ越えリベンジ 2泊3日】 W/よねちゃん
最年長記録という噂…
(滑走実績:針ノ木谷、湯川谷・常願寺川)
http://tsune3.blog87.fc2.com/blog-entry-1958.html

⑨ 2017年5月【ついに赤牛岳滑走ならず】 W/スガー、ヂュン
薬師岳西面のヒミツのルンゼの第2滑走と立石奇岩上流付近での黒部川横断、それに落穂拾いの赤牛岳滑走を目指したが、最終日の天候悪化予報と気力減退で大幅デグレード。でもスガーとヂュンには黒部の概要の何分の一かは伝えられたかも。これまで何度も登った大ノマ乗越への登路を間違って弓折岳に出てしまったのは大ショック…。
(滑走実績:北ノ俣岳~太郎山、黒部五郎カール、五郎沢右俣、鷲羽岳西面、弥助沢、双六谷左俣、弓折岳南面~秩父沢)
http://tsune3.blog87.fc2.com/blog-entry-1972.html

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素晴らしい8年間でした。


番外編
☆☆☆☆☆高天原温泉(9泊)
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長い間引っ張ってくれたまっちゃん、今年3月の横断の背中を押してくれたよねちゃんには心から感謝しています。
私の人生観を変えた素晴らしい山旅に感謝!

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コメント

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カスタムフェアーで

お久しぶりです!裸になったからには新しいジャケットを購入しなければなりませんね、ミレーのジャケットを物色中の生常吉さんを見ました。影響を受けた私は、お尻の出せるノースのBIBを予約してしまいました。写真を撮るためではありません。
レグザムがdynafitの代理店を継続することで、アフターケアが出来ることになり良かったですね、常吉さんとしては気になっていたのではないえすか?

えつ!?

shinさん、お久しぶりです。

山スキーやめるの何のと言いながらカスタムフェア-行っちゃいました。また悩ましい季節の始まりですね。
しかし、見られてたとは…。お声がけしてくださればよかったのに。

ミレー、機能的には文句なかったんですが、短足の私には長すぎて…。
Dynafitはお世話になっていた方の息がかかっている方が担当になられておられていたので一安心でした。

85万円の板ご覧になりましたか?

85万円の板ですか?知りませんでした。基本試乗会でいろいろな板に乗り、自分に合った板を見つける事に没頭していますが、しかし興味のある板が試乗会に参加しないのが悩みの種です。
私もパンツはアークのスティンガーで股下はショートが理想なので、同じ悩みを持っています。ノースのbibは5cm程長いかもしれないので、キャンセルOKということで内藤さんに了解を得て予約しました。プロライダーと滑る特典があったのですが、滑りに対する考え方が違うので応募しませんでした。
常吉さんの山はハードですが、私は山を散歩して滑って帰って来るが、基本です。体の受ける力を地形や雪を利用して上手く逃がして落ちていくだけです。ジャンプするとき着地点は柔らかい雪のあるところを狙って飛んだり、ターンのしやすい地形を利用して当て込みをしたり、、、61になる友人も体力がなくても考え方次第で長く楽しめることが分かったようで、今年はravenにテクトンを購入しました。私が今欲しいセッティングです。テレの総治郎さんにもリバースの良さを説明しましたが、乗ってみないと分からないと思います。シールを付けた登りが弱点ですが、、、それでも楽しく滑りたい!

総治郎さん?

shinさん、

「考え方次第で長く楽しめる」
その通りだと思っています。今までのような行動がだんだんできなくなってきたけれどスタイルを変えればまだまだ楽しむことができますよね。特に私の場合ゲレンデでの滑走技術のブラッシュアップという大きなスタイル変更も選択肢だし。

そう思いつつもいっそ潔く別な趣味に乗り移ろうかという悪魔のささやきも…

ところで総治郎さんってウチの会(+RSSA)の総治郎さんですか?先日久々に会のイベントに顔を出されたようですが、私は仕事でお会いできませんでした。

スキー百山にコラムを載せたM氏です。ヘリスキー友達の友達です。今年はかぐらの板新で一緒になり、北斜面を滑りました。私のベースが板新なので、ここから路線バスを使い山へ滑りに行っています。まだ滑られていない斜面や開拓ルートが沢山あるので、裏山バックカントリーを楽しんでいます。M氏の奥さんは連休奥穂で友人が無くなり、年々友達が減っていくと気落ちしているようです。

狭い世界

shinさん、

Mさんとお知り合いだったんですね。
それもCMH仲間とは!
MさんはCMHのオリジナルアウターをお持ちなので相当なリピーターだったんでしょうね。私には無縁の世界だ。

今年は山スキーでも沢でも友人・知人が亡くなりました。
どんどん山が怖くなっていきます。