2013八ツ峰Ⅵ峰Aフェースクライミングと八ツ峰縦走(登攀編)

【今年も姫と剱でバリデート②】not validate

8月7日~9日 八ツ峰Ⅵ峰Aフェース魚津高ルート登攀・八ツ峰上半縦走など
W/姫

昨年のチンネ左稜線・八ツ峰Ⅵ峰Cフェース登攀に引き続いて、今年も姫と剱の雄大な景色の中に身を置いてきました。今年のメインは八ツ峰Ⅵ峰Aフェース登攀~八ツ峰上半・北方稜線縦走と、本峰南壁A2稜の登攀です。

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8月8日 晴れ後時々曇り・ガス 本チャン
真砂沢ロッジ3:00→5:45 Aフェース取り付き付近→6:40 Aフェース登攀→8:40 Aフェースの頭9:15→(縦走路探し、懸垂3回)→10:05ⅤⅥのコル10:30→11:00 Cフェースの頭→(Ⅶ峰・Ⅷ峰トラバース)→13:50池の谷乗越14:05→15:30剱岳本峰16:00→18:45剱沢山荘19:00→19:15剱沢野営場 (16時間行動)

今からちょうど10年前にⅥ峰Cフェースを登った後、(八ツ峰の頭を除き)八つ峰上半と北方稜線の小ピークも含めた全てのピークを踏んで本峰経由で剱沢に戻ったことがある。この時はCフェースの登攀開始が6時半で15時40分に剱沢に帰着した。今回はAフェースピークからの縦走路探しとⅧ峰池ノ谷側のトラバースルートから長次郎谷側への廻り込みに時間を食ってしまい全16時間のハードな行程になりました。

朝2時起床にも関わらず佐伯さんは既に食堂で起きていて、我々の準備と出発を静かに見送ってくれた。

真っ暗な剱沢雪渓を登り返し、長次郎出合は念のためGPSで間違えがない事を確認してから入った。雪渓を渡る冷たい風に混じって時々生温かい風が吹いてくるのが気持ち悪い。

徐々に明るくなってきた。
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きれいだけれど、午後の天気が気になる朝焼け。  Photo 姫
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見えてからが遠い熊の岩もここまで来ればあと僅か。  Photo 姫
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文字通り岩と雪の殿堂。とんがりピークは源次郎尾根1峰。
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熊の岩のテントはまだたった一張り。来年はやはりここで何日か過ごしたいなぁ。
昨晩真砂沢ロッジで一緒になり、今日は剱尾根上半をソロで登るというクライマーが追い付いてきて手を振ってくれた。
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雪渓歩きに飽きてAフェースの取り付きより手前に伸びてきているガレを登ったら中大ルートの取り付きに出てしまった。周囲を少し探すと、魚津高ルート(右ルート)の取り付きが一段下に見つかった。あとでトポを読んだら更に左下にある凹角から登る正規ルートはⅢ+になっていたのでそちらの方が多少面白いのかもしれない。

1ピッチ目(Ⅲ?) 
常吉リードで登攀開始。左上するカンテを登ってピンベタ打ちの凹角に入った。
Photo 姫
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ハング部分で左右を迷ったが「初登者の気持ち」になって左へ廻り込むとビレイ点があった。Photo 姫
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ビレイ点から見たフォローの姫。
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2ピッチ目(Ⅲ) 姫リード 
ビレイ点から一旦左に回り込んで浅い凹角からカンテに戻るのですが、結構な露出感。
「高度感があって怖いで~す。」
とかカワイイ事を言いながら姿を消していったのですが、登攀中は余裕でこんな写真を撮っていました。Photo 姫
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Photo 姫
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終了点からのコールが全く届きませんでしたが、もう初心の域を完全に脱している姫の行動には全く淀みがなく、ロープを通じて意思が伝わってきました。これは今回の嬉しいお土産。

2ピッチ目をフォローする私。↓
このピッチは傾斜の立ったカンテで高度感も露出感もある気持ちのいいクライミングになりました。ここもピンは豊富ですが、姫は一か所ちょっと間隔が空いた所で練習を兼ねてカムを使っていました。

雪渓上を後続のクライマーたちが続々上がって来るのが見えます。 Photo 姫
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今まで以上に簡単な3ピッチ目を登ってAフェースの頭に到着。
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ピークからはCフェース剣稜会ルートを登るクライマーが良く見えました。Cフェースから見るとAフェースを登るクライマーがすごくカッコ良く見えるのですが、こちらから見るとCフェースもなかなかのものです。 Photo 姫
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さて、ここからが今回の目玉の八ツ峰縦走です。Aフェースの頭から大した懸垂もなしに縦走路に出られると聞いていたので、ⅤⅥのコル側にあった懸垂支点で10mほど下に見えた踏み跡に下りてみました。 Photo 姫
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ここから踏み跡を辿ってBフェース側へ廻り込み、這い松混じりの岩を少し登ると懸垂下降点がありました。ここから短く懸垂するとAフェースとBフェースを隔てるルンゼの底へ下りられました。

そこにも懸垂下降支点があったので迷わず3回目の懸垂をしたのですが…。 Photo 姫
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何という事でしょう、そこはⅤⅥのコルの数m上のテラス、去年も含めてもう何度も下りた事があるCフェースからの懸垂下降終了地点に出てしまいました。
ガ~~~ン。  Photo 姫
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縦走路へ出るには先ほどのルンゼを懸垂下降するのではなくBフェースの壁を登るのが正解だったのかもしれません。しかしこうなってしまったら縦走を続けるためには この目の前の壁を登り返すしかません。

姫は時間節約のために確保なしで行こうと言ってくれたのですが、過去一度だけクライムダウンした事があるとはいえそれ以外の時は全て懸垂で下りてきた壁を確保なしで姫に登らせるわけにはいきません。

私がリードで登って (必要ならば支点はあります。)姫を確保したのですが、簡単でした…。
姫、ゴメン。

そんなこんなで、Cフェースの頭に着いたのはもう既に11時。予め決めていたタイムリミットにドンピシャでした。

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Dフェースの頭で1回、そのすぐ先の小ピーク(Ⅵ峰の頭?)でまた1回懸垂下降を行って縦走路を行くと、Ⅶ、Ⅷ峰のトラバースルートに出ました。本来はこれに入らずに頂稜を行くのですが、時間も押している事だし今回はこのトラバースルートを辿る事にしました。 Photo 姫
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バリエーションルートのトポを頭に入れてくるとつまらないので私は今回も下調べなし。さてさてどうなることやら。
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トラバースルートは八ツ峰の頭の基部で右に向きを変えてチンネ方面に向かうので、これを外れなくてはなりません。正面の壁が八ツ峰の頭への登路かどうか自信が持てず、悩んだ末にお助け簡易アブミが2本掛っているルンゼを詰める事にしました。 Photo 姫
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簡易アブミのお陰で突破は簡単でしたが、背中のザックが邪魔になるので空身で登ってザックを引き上げました。ここでのルート選択と荷上げで再び時間を大きくロスしてしまいましたが、Ⅷ峰と八ツ峰の頭のコルに出ることができました。ここから八ツ峰の頭への登路の見当が付きましたが、もはやそんな時間はありません。懸垂2発で池ノ谷乗越の直下の雪渓へ下り立ちました。 Photo 姫
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2回目の懸垂の前にアイゼンを着け、ピッケル片手に雪渓へ。 Photo 姫
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シュルンドの乗越時に万が一のトラブルがあってもいいようにロープにちょっとした工夫をしていました。さすが。
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いやぁ、アルパインはいろいろあって楽しいや。

池ノ谷乗越からは北方稜線の縦走になります。
ここからはルーファンの目を養うために全て姫にトップで行ってもらう事にしました。

長次郎の頭を直登する姫。
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Photo 姫
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時間節約でピークには拘りません。
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登りやすそうな所を見定めて進みます。 
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そしてついに本峰山頂。残念ながら祠は落雷で消失(焼失?)してしまったそうです。

姫は剱初登頂、私はバリエーション限定で9回目の登頂です。(なのでカニのタテバイだとか早月の登りだとかはまだ未踏。すごいでしょー。)
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早々に山頂を後にしましたが、時すでに16時。鎖場はどうにでもなりますが山腹の広いガレ場を真っ暗な中で間違わずに下山する自信はありません。日暮れとの駆けっこになりました。
 
しかし、疲れた体にちっとも優しくない別山尾根の下山。
何でもない所で足を滑らせて1mほど下に両手着地、危うく顔面を強打するところでしたが自分でもびっくりするくらい瞬間的に体をひねって難を逃れました。全く忌々しいったらありゃしないんだけど、怪我がなくて本当に幸運でした。

そして何とか明るい内に安全圏に到着。がんばったつもりでしたが、疲れていたし満載のギアで背中は重いしでコースタイムピッタリの2時間半掛っていました。小屋の窓からはこんな時間に山を下りてくる奴がいるぞと怪訝な視線。
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剱沢小屋でドンピシャ日没。この日下界は記録的な猛暑だったそうですが、ビールを買いに寄ってくれた姫が中でKガイドと盛り上がっている間、私は剱を見ながら寒くて震えてました。
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16時間行動、還暦の身には堪えましたわ。
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コメント

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凄いです!
劔岳は、映画で見ただけですが、こうやってお写真を拝見すると、ほんとに凄い険しい山ですね。
さらには、雪渓歩きの迫力が違いますね!
怪我なく、下山出来て、本当によかったですね。

くーぺきゃんぱーさん、

剱、大好きです。
あの懐にいられるだけでしあわせ。
まだあと何年か行くと思います。

スケール違いのヨーロッパアルプスと美味しい食事をを楽しんできてください。